ママ

ドタバタしていた先週、ドサクサに紛れてけいけいが「ママ」と言うようになった。
はっきりとわたしに向かって「ママ」と言う。
かくれんぼをしていてわたしが隠れていると「ママ〜!ママ〜」と捜しにくる。
昼寝から起きたとき「ママ…」と呼ぶ。
座ってボンヤリしていると肩に手をかけ「ママ?」とのぞき込む。
か、かわいい…。
わたしはこの日を待っていた。
「パパ」に勝った!と心の中で小躍りした。


が、週末実家に帰ったときに「ママ」がわたしにだけ向けられた言葉でないことが判明。
けいけいのやつ、じじにもばばにも「ママ」と呼びかけているではないか。


キッチンのばばの所へ行って「ママ」。
洗面所で身支度をするじじの所へ行って「ママ」。


動物が、たとえ鳩であれカエルであれ象であれ全部「ワンワン」であるのと同じように、
けいけいにとって心の許せるオトナは皆「ママ」なのだ。


案の定、日曜日に亭主殿にも「ママ」と言っては「パパだよ」と訂正されていた。
けいけいはわたしが「はーい」と返事をするのもまた面白いらしい。
今日はいちにち中「ママー」「はーい」が繰り返されていた。