緑のビート板

幼児コースになってからひと月経った。
仲良しのハルくんは、ママがいよいよ出産間近な為先週実家のある名古屋に帰ってしまい、けいけいはひとりで頑張っている。


今日のスイミング、ビート板の練習の時。
他の子がビート板で泳ぎに出てしまっている中、けいけいはプールサイドで片膝を抱えて、不満そうな顔をしている。
そんなけいけいに気付いた1人のコーチがけいけいに近寄っていった。
コーチが残っていた白いビート板をけいけいに渡して何か言っているが、けいけいはビート板を受け取らず、首を横に振っている。
けいけいがコーチに何か言っている。
どうした?今までガマンしていたけど、急にイヤになったのかな?
いやいや、もしかして。


するとコーチがどこかへ行って、緑のビート板を手に戻ってきた。
緑のビート板を受け取ると、水に入っていくけいけい。


まさかと思ったが、やはり。
白のビート板がイヤで『緑のビート板がいいの』とコーチに言ったらしいのだ。
スイミングには白、ピンク、緑のビート板がある。
確かにベビーの時からけいけいはいつも緑色を使っていたので、けいけいの中で『オレのビート板は緑』になっていたらしい。


だからといって…。
けいけいの意外な一面を見た。